ポルノグラフィティ因島凱旋ライブの感動から生まれた、ふたりの少女のみずみずしい成長物語。夢と現実にゆれる少女たちの背中をおしてくれたのは、ポルノグラフィティの歌。
でたい。もっと遠くへ。ー島をでたい。
千波は、このごろしきりにそう思う。胸を突きやぶって飛びだしたがってるものの存在を強く感じる。なにかをはじめたくて、うずうずする。だけど、そのなにかは、まだぼやぼやとして形を成さないもので、これだ!と口にだしていえるようなものではない。それなのにじっとしていられないほどの焦燥感だけは、「いいのか、いいのか、このままで」と千波をせき立てる。(本文より)
第56回 青少年読書感想文
全国コンクール 中学校の部
課題図書