おたまじゃくしの降る町で

自転車を止め、山を見上げる。ハルは腕を思いっきり空に向かって伸ばして、夕暮れの山の清涼な空気を肺いっぱいに送りこんだ。
生きている。そう感じた。みんなみんな生きている。そのことがうれしくいとおしく、胸がいっぱいになった。
「よっしゃあ」掛け声とともに、ハルは思い切りペダルを踏みこんだ。(本文より)

ソフトボール部のハルとラグビー部のリュウセイ、ひと夏の恋を、みずみずしくもドキッとするタッチで描く、新感覚青春小説。

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