今日から安子は四年生になる。
その第一日目のけさから、安子はさっそく朝ねぼうしてしまった。あわただしく食事をすませて、学校にかけこむと、担任の中先生のうしろに、見知らぬ 女の子がたっているのが目にとびこんできた。こんど、安子のクラスに転向してきた子だという。
好不況の波にゆれうごく造船の島を舞台に、多感な少女とその家族、級友たちの姿をみずみずしく描く。
飛べゴンザ、あの空を
進水式のたびに華やかに大空を舞うハト。ゴンザは、しげるの家で飼育しているそんなハトの一羽だ。造船所の経営がゆきずまって、あさっては、いよいよ…

