今日から安子は四年生になる。
その第一日目のけさから、安子はさっそく朝ねぼうしてしまった。あわただしく食事をすませて、学校にかけこむと、担任の中先生のうしろに、見知らぬ 女の子がたっているのが目にとびこんできた。こんど、安子のクラスに転向してきた子だという。
好不況の波にゆれうごく造船の島を舞台に、多感な少女とその家族、級友たちの姿をみずみずしく描く。

明日につづくリズム(文庫)
瀬戸内海に浮かぶ因島。千波は、造船所で働く父親、明るく世話好きな母親、血のつながらない弟・大地と暮らす中学三年生。親友の恵と一緒に、同じ島出…