進水式のたびに華やかに大空を舞うハト。ゴンザは、しげるの家で飼育しているそんなハトの一羽だ。造船所の経営がゆきずまって、あさっては、いよいよ最後の進水式をむかえるという日、しげるはハト小屋のそうじをすることになった。小屋の床を掃きおえて、そとへでようと、戸を開けたとたん、ゴンザを先頭に、ハトたちが大空に飛び去っていった。
不況にあえぐ造船の島を舞台に、肩を寄せあいつつクラスしげる一家を描く。

わたしの、好きな人
肩車からながめた夕焼け空。夜の駐車場で見つめた月。わたしのそばには、いつもあなたがいてくれた--。少女が心をよせたのは、…